人類の旅。日本の役割。
人類の旅の途中で変革の波がいくつもあった。
いま、人類は自らが生み出していく夥しい情報・技術の洪水に溺れそうになっている。
産業革命を引き金とした約250年続いた政治経済モデルの中で「世界の一等国」への夢を「達成」した日本は、国際政治の厳しさ、グローバル経済の厳しさに直面し、自らの方向性を見失っているのだ。
『日本は「特殊な国」で「普通の国」にならないと、この厳しい国際競争に生き残れない。』真しやかに聞こえるこんな風潮こそが間違っている。おおよそこの世界に「普通の国」なんかありはしない。地球上に存在する200以上の国家、地球上に存在したであろう生まれては消えていった数えきれない「国家」はひとつひとつが特別な事情と歴史を持った存在である。
今、求められているのは国家間がそのことを認め合った上で、激変する国際政治、経済の本質と動向を見極めつつ新しい政治、経済、くらしのモデルを追求し、よりよい共存のためのルールを創りメンテナンスを施していくかである。
日本は今、歴史の棚卸しをすれば良い。
その上で正の資産と負の資産を見極めれば、自ずと勇気も湧いてくるというものだ。
国土、人、経済、技術、歴史・・・何を取ってもこんなに恵まれた国家は見あたらない。
永い歴史の中で、地球上のあらゆる地域や国家から様々な民族が、情報と技術を携えてこの島にやってきて、日本という「国家」が生まれた。国家形成の中で、最も特殊だと思われることは、この島国に沖縄戦と広島、長崎の原爆投下以外には大規模破壊と殺戮がなかったということである。おそらく何万年もの間に、様々な民族、様々な技術、様々な思考が混じり合い、醸成され日本国の基盤が生まれたのであろう。
国家の目標が国民の安寧と幸せであるのであれば、今こそ日本のリーダーは眼を大きく開き世界にご恩返しが出来る国のビジョンを示すときである。思想、宗教、科学技術、経済、世界中の文化のエキスと経済力はこの国にあるのだから。
発見の森の全ての仕事の原点は、この様な認識の上に立とうと思う。